時事評論

「令和」と「清和」・元号と派閥の微妙な関係

投稿日:2019年4月1日 更新日:

新元号は「令和」と決まった。

出典は万葉集である。「初春の令月にして気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす(于時初春令月 氣淑風和梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香)」である。具体的には「梅花謌卅二首并序」の一文らしい。

この和歌を詠んだのは、大伴旅人とも山上憶良とも他の人とも言われており、作者不詳とされているとのこと。ただ、天平2年(730年)正月13日に大伴旅人の家に集まって梅を楽しんだ折りに詠まれたことが知られている()。

元号は、最近は漢字二文字とされていて大和言葉は不可である。「あきつ」「しきしま」という大和言葉が時代に相応しいと思うけれど、長きにわたる伝統をそんなに急には変えられまい。

「平成」の出典は『史記』「五帝本紀」の「内平外成」や『書経』「大禹謨」の「地平天成」である。いずれも「国の内側も外側も平和が達成される」という意味で、振り返ってみれば戦争のなかった平成の世に相応しいミーニングである。

ただ、1980年代も末になって、元号を使っている唯一の国である日本の元号が漢籍(中国の文献)に典拠を求めたことは、中華帝国の一周辺国としての立場を示すようで残念ではあった。

「令和」は相変わらず漢字二文字ではあるけれど、まずは、出典が国書(日本の文献)になったことを喜びたい。

一方、偶然の一致が気になったりもする。

安倍首相の自民党の派閥は「清和政策研究会」である。「清和」と「令和」、「せいわ」と「れいわ」と音が似ている。

前回の改元のときの首相は竹下元首相。当時の自民党の派閥名は「経世会」だった。「経世」と「平成」、「けいせい」と「へいせい」と音が似ている。

「経世会」はのちに「平成研究会」と名前を変える。「清和政策研究会」も「令和研究会」と名前を変えるのだろうか。

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